記憶力というのが人一倍悪い、と思う。
一番古い記憶をようようたどってみると、
どうやら幼稚園のころで精一杯。
担任の石川先生は若くてきれいな女性だった。
ある朝教室に入ると、あろうことか先生のはいている
ジーパンのチャックが壊れている。
子供の背の高さだと丁度目の前だから、
いたずら盛りの幼稚園児としては黙ってはいられない。
大声ではやし立てて、涙ぐむ先生に大目玉をくらったと言うような、
人生最古の記憶としては「なんだかなぁ」の記憶ではある。
悔しい事にパンツの色は覚えていない。
先日ヤフーの手続きをする為、住民票だか戸籍謄本だか
必要だというので、市役所に行った。
2ヶ月前ぐらいの話だが、住民票だか戸籍謄本だったか、
どっちを取りに行ったかは既に覚えていない。
申請用紙を目の前にして、氏名、生年月日、とつらつらと記入していくと
はたとペンが止まってしまった。
住所が書けない。町名まではOKなんだけど番地が分からない。
家に電話して嫁さんに聞こうと思い、
携帯電話をもってないので、懐かしの黄緑公衆電話の前に立って
10円玉を入れた所で途方に暮れた。
電話番号が分からない。。。。
結局なにも出来ずに帰ったわけだが、
昨日の夜、自分の記憶力のなさについて考えていたら
万が一「迷子になったらどうなるか」という恐ろしい事に気づいて
眠れなくなってしまった。
いや「迷子」というのはこの歳でありえないとは思うが
「迷子に似た状況」に陥るというのはありえるかもしれない。
住所や電話番号が必要にせまられるという状況だ。
突然の交通事故で、医者が家族に連絡を取りたいとか、
あ、例えば酔っ払った真夜中の帰り道、
職務質問なんていうのはどうだろう?
うわ言のようにあらぬ番地や電話番号を口走る酔っ払い。
あなたがお巡りさんならどうしますか?これは怖いかもしれない。