午前三時過ぎ、寝苦しさで目が覚めた。
缶ビールをもってソファーに座りTVをつけると、
いつもはどうでもいいことばかり話しているニュースキャスターが、
私の目を真っ直ぐ見て淡々と伝えた。
『忌野清志郎さんが癌のため亡くなりました。58歳でした。』
えっ、ウソ。まだ夢の中?何かの間違い?マジなの?
目に映るもの全てから色が消え、TVから流れ出す音はもう聞こえない。
何事もなかったように明けていく夜を感じながら、
キヨシローからの、新しいメッセージはもう届かないのだと思うと、
急に彼の死がリアルなものとして感じられた。
とても、とても悲しい。
14歳の時、キヨシローの歌を聞いて意識が変わった。
一言漏らさず聞かなければ気がすまなかった。
りっぱであろう先生の言葉や親の小言、
TVに映るマヌケな芸能人や薀蓄を語る識者、
ロックの真似事でその気になった薄っぺらいヤツらなんかに比べると、
彼の歌は、いつもクリアーでリアルなメッセージを、
分かりやすい言葉で送り続けてくれた。
彼の歌や生き方から学んだことは大きすぎて、
とてもこうして書ききれるものではないが、
同じ時代にキヨシローがいたことが、彼の洗礼を受けたことが、
本当にラッキーだったと思えるし、人生を左右するぐらい大切なものだった。
いつまでも色あせることなく、彼のメロディーは私の中で生きる。
そして普遍的なそのメッセージが、これからも沢山の人の心に届けばいいなと思う。
心からありがとう。これからもずっと聞き続けます。
夢を忘れずに。合掌。