店のシャッターをガラガラと下ろして鍵を閉めていると、
「クローズ?」と英語で話しかけられた。
振り返るとそこには3人の「ミンラバ」の国の人(笑)
「ミンラバ」とはビルマ語で「こんにちは」の意味。
店のある塩釜市は小さいながら港町なので、
ちょくちょく外国の船が入り、
3時を過ぎて銀行の窓口が閉まると、
どういう訳だかうちの店に両替にやってくる。
レートはハッキリ言ってめちゃめちゃ悪い。
ここ何年も1ドル100円の固定レート(笑)
あくまで個人の善意の両替だからしょうがない。
と納得してもらうというか、納得しなけりゃ両替しない。
「足元を見る」とか「弱みにつけ込む」とも言う(笑)
「さぁさぁ、どちらさんも、ばばーんと100ドル札出しなはれ。
10ドル20ドルの細かいゼニはお断りだす」
いやね、仕入れの時に持ってくんだけど、
大きな紙幣ほど両替のレートがいいんですよ(笑)
ついでにコンビニの場所から電気屋、スーパーまで
私設のツーリストインフォメーショにもなったりする。
「シンチャオ」「ナマステ」「マガンダンハポン」
「サラマッパギ」「ニイハオ」「シャローン」
「ボンジュール」「スパシーバ」「サワディー」「アニョハセヨ」
面白がって知ってるその国の単語を並べる。
店に居候したイスラエリーやフランス人、
一緒に呑んだり、船に遊びに行ったロシア人、
買い物に連れて行ったドイツ人にビルマ人、
トリニダートトバコなんてとこもあったな。
たしかコロナビールを作ってる国だったっけかな?
その内4人とはひょっこりバンコクのカオサンロードで
再会したりしているから面白い。みんな元気でやってるかなぁ。
100万個もの偶然が重なって、ふっとどこかの街で出会えたら嬉しいと思う。
世界一周の船旅で、どういう訳かウチの店に迷い込んで来た多国籍軍。
「盆栽」について「その心」を聞かれ、まったく説明できなかったのが恥ずかしいおもひで(笑)