バンコクの電話ボックス。
暑い国なので、出入り口のドアはいつの間にか外され、
路地の片隅に忘れ去られたまま、
ひっそりと夜更けに浮かび上がる。
ほとんど意識することのなくなった電話ボックス。
高校生のポケットにも、便利な携帯電話が入っている時代だ。
それでも貧しい地方から来た出稼ぎ組みの中には、
少しでも節約しようと、利用する人は少なくないのかもしれない。
*iPhone4/CameraKit
プープー、プープーと、どこか頼りない電話の呼び出し音。
つかの間、その狭い空間には、
貧しいけれど家族や友達に囲まれ楽しかった、
豊かな田舎の田園風景が広がっているのかもしれない。