昨夜1杯やりながら、10年ぶりぐらいに
タクシードライバーを見た。
監督は鬼才マーティン・スコセッシ。
全編にわたって映像からにじみ出る、
都市に閉じ込められてしまった男の絶望感と閉塞感。
デ・ニーロ演じる主人公トラビスが
ちょっとしたきっかけから八方塞がりの人生に
銃弾をもって風穴をあけるまでのストーリーが
濃密にエロティックに描かれている。
製作は1976年、なんと31年も前の作品だ。
70年代といえば、セックスピストルズが「ロックは死んだぜ」と
60年代の幻想だった「LOVE&PEACE」に中指を立てて唾を吐きながら登場し、
カリブ海に浮かぶ小さな島から産声を上げた
力強いレゲエのバックビートが世界を駆け回り始めた頃だ。
レゲエミュージックの火付け役となった映画といえば、ハーダー・ゼイ・カム(1972年)
レゲエファンならずとも音楽好きにはこちらもオススメ。
ちなみにロードムービーの傑作イージーライダーは1969年の作品。
ヒッピースタイルの主人公2人が最後に死んでしまうというストーリーは
LOVE&PEACEという幻想を掲げた60年代の終わりを象徴してるのかもしれない。
大分横道にそれてしまった、話をもどそう。
ピストルズ2代目ベーシスト、永遠のジャンキーシドビシャスは
そのカリスマ性から、今でもパンクロックの代名詞的な存在だが、
この映画の主人公トラビスもまた革命的なパンクスの一人かもしれない。
アーミージャケットの中に拳銃を隠し、
モヒカンにサングラスをかけた彼がニヤリと笑う時に感じる
どうしようもない息苦しさと狂気が、今のこの国にもあるような気がする。
なにしろ必見です、見てない人は絶対見るべし。
映画音痴の私でさえ大絶賛。
昨夜は安物のワインと一緒に見たのですが、
強い酒が欲しくなること間違いなし。
お気に入りのウィスキー同伴でご覧下さい。
そういえばスコセッシ監督、
現在ストーンズのドキュメンタリーSHINE A LIGHT製作中。
めちゃめちゃカッコよすぎの予感、これが最高に楽しみだったりします。
コメント (3)
the clash の
ドキュメンタリー『ルード・ボーイ』も
オススメ!!
投稿者: t-bon | 2007年09月21日 08:10
日時: 2007年09月21日 08:10
中学生くらいの頃に初めて観て、つまんねえ映画だなあ、位の感想でしたが、大人になってから観直すと、物凄い閉塞感というか、全編に漂う絶望的な雰囲気に圧倒されてしまいました。この映画の凄さがわかって、自分も大人になったなあと思いましたよ。
投稿者: こんこん | 2007年09月22日 01:08
日時: 2007年09月22日 01:08
>t-bon
たくぼんはそっちよりだもんなw
まだ見てないんだよねー。
>こんこんさん
私もこんこんさんと同じパターンでした。
最初はなんだかピンとこなくて・・・
ところが今見ても十分あの「絶望感」は健在というか、
なんだか、あーいう風にイライラしてる人が沢山いる様な気がして、
尚のこと鳥肌ものでした。
投稿者: 親方 | 2007年09月22日 01:58
日時: 2007年09月22日 01:58